アリス
時折りの寂しさも かつてない幸せ それを恋と呼ぶのなら 私は本のなかへと 逃げ込みたいくらい 気恥ずかしい そこでは木や草が歌い 野に立ちて 風になびく 私 きっと、涙って 数えてみると案外 少ないって知るわ そこは木と木の間 ...
無限の中
星とひとつになり 雨は肌をぬらし 風は頬をなで 生き物の鼓動を聞き分け 幾億の血潮を呑み干し 涙は川となり 怒りは大地を揺るがし 国境も 日付変更線も 消し去り 其々の神を否定し 自らの意味を考え 個は全であり 全は個をなす 無限の中で ...
菜の花未来
菜の花未来 いっしょに笑おう おひさまのように 風にそよいで 一面の黄色に飛び込んで シアワセの海を 泳ぎきろう 菜の花未来 いっしょに歌おう ゆるやかな光で 夢を見る 夜に霞んだ菜種月 淡い匂いに 溶け込もう #詩 #poem
フィットチーネ
ネクタイをゆるめただけで ソファーにのびて ただいまくらい言ってよね 温め直すの嫌がるから 仕上げはおかえりの後 上司や部下の悪口はこぼさないから そこはカッコいいぞ 後ろからしがみつくように 頬をよせて ごはんよ 少し汗臭い 伸びかけたヒゲがチクリ...
儚いあなた
思い出に手を引かれ 何度も訪れたこの景色を あなたにも見せてあげれば よかった 疲れたように笑うあなたは 優しささえも壊れそうで 私に繰り返し 大丈夫か尋ねたね 足元の花を避けて歩く姿は 繋いだ手から物悲しさを 感じるしかなかった 儚い心はあの空に消えたけど...
好きなものは好き
気付いてもいない 小さなしぐさが 私の心をつかんでいるよ テーブルの上の指の動きや 立ち上がるときの踏ん張り方 ともだちは 「おじさんくさい」って いうけど平気 好きなものは 好き #詩 #poem
オレンヂの肖像
ねじれた世界が 止め処なく 人を絞り出しながら 笑顔の理由を知りたがる 吐きそうなほどに美しい オレンヂの肖像 閉じ込めた心に 誘惑の釦 あなたが朽ちると知りながら とこしえに連れ去る だれかにおしえてあげなさい 鳴き声だけが届く世界 悦びはないけれど 幸福です...
あなたとわたし
さっきのままで すこし不機嫌 反対側のホームに立ってる 見えてるくせに 視線を外す 雨のカーテン ゆらゆらけぶる 時間とともに ふえるひとかげ 近くて遠いみしらぬひとたち まぎれようにも あなたはあなた みつけなくても わたしはわたし #詩 #poem
もえるきぶん
言葉巧みにうたを届けて あれはたぶん もえるきぶん 指を這わせて近付くけれど そこはたぶん ゆれるじぶん やめないで 夢見心地でいるから 月の満ち欠けに 嘘をついても 愛を隠したまま 切り取った夕闇に 吐息交じりのくちづけ あまく火を灯す 可愛いフリで震えて見せる...
Lovely Girl
あなたのもとに届いた 愛の終わりの報せ くしゃくしゃと丸めて 遠くに投げちゃえ 隠してきたのは 涙のためじゃないの つらいことを知ったの それは偶然 ラブリーガール くすりゆびに そっとくちづけて ラブリーガール 今日はきっと 素敵な日になる 言葉にしてしまえば...