ロゼ
少女の唇のロゼ あまくささやく ひめごとのはなびらは 小さな決意を包みこんで むくわれぬ愛があることをさとる その手の中に 摘み取られたロゼ しずかな温度で 零れ落ちる 元通りにはもどれない やさしいいのちを 捧げたとしても #詩 #poem
雨ふりダンス
雨ふりのダンス 気の向くままに ステップ毎に輪を描く 拡がる波紋の行く先は 涙と出逢う分かれ道 小さな飛沫が手を取り合って 静かな爪先立ちで 微笑みのエスコート やがてピアノが弾むように 私のリズムと溶け合っていく 雨ふりのダンス 気の向くままに #詩 #poem
綺麗
あなたに見ぬかれて 私の本性は形になる あなたが望む多くのものを 私は与えてあげられる あなたひとり しあわせな気持ちにできない世界を どんなにか憎み どんなにか蔑んだ 私は汚れた心を あなたに溶かして綺麗になるよ 無垢でいることのできない 優しい世界は...
リセット
うつむいて 足元を見る なみだのゆくえはおえないよ うずくまり 自問する どこにむかえばいいのでしょうか あなたが手を取り教えてくれた 新しいこころ まだまっしろで いたいけな もろいけど ちからづよい からっぽからはじめよう #詩 #poem
誕生日
誕生日には花を買い 無造作に飾りましょう 部屋いっぱいの香りにむせて 浮かべる涙をあげましょう ひとりが好きよと嘘をつき あなたを困らせたはずなのに どうしてか まだ会いたいと心が拗ねる 遠くの国では緑のお祭り やさしいひとたちのうつろい 幾つの過去を つまんで積み上げて...
君の笑顔を胸に今も生きてる
キラキラした笑顔が好きだった 君がそこにいるだけで その空間がパッと華やいだ 「そばにいると落ち着くわ」 そう言ってくれたね 夢も似ていたから 一歩前を歩く僕を 理解してくれてた ああ 君なんだな そう思った でも 運命は皮肉だった 病は突然やってきた 僕を蝕んで自由を奪う...
春よこい
着慣れない 大きめの制服 新しい靴 陽射しの匂い みしらぬひとたちに ときめきよりも 不安 背中を押され 送り出されたら 生まれ変わった つもりで この桜が 花をつける頃には たくさんの笑顔に逢えるよ 春よこい #詩 #poem
さんいちいち
そうだね たくさんのいのち だれのために いのればいいのか なみだはね しまいこんでないと こわれてしまうから いまはまだ ゆるしあえたら らくになれるの かえるばしょが なくてもいいの もとどうりになるのなら えがおをかえして みんながね きおくのなかに かえるばしょが...
泣き虫だって
泣いたら負けよと 誰かが言った 泣き虫だって五分の魂 蜂が刺しても顔は顔 負けるが勝ちよと 誰かが言った 笑わせた人が勝ちだから 諦めちゃったらそれが負け 笑顔が好きよと 誰かが言った 顔で笑って心で泣いて 君の笑顔があれば良い #詩 #poem
名前をつけてあげる
ぽつり ぽつりと 雨がつぶやく いっそ 流れていければ好いと 辿り着く先が どんな未来であっても 受け入れる準備は しておこう ふわり ふわりと 雲が流れる 名前がないから 呼び止められない 共に流れて行きたいのにね 掴みどころがないし 名前をつけてあげるから...