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君の笑顔を胸に今も生きてる

  • 執筆者の写真: assemblage507
    assemblage507
  • 2015年3月17日
  • 読了時間: 1分

キラキラした笑顔が好きだった

君がそこにいるだけで

その空間がパッと華やいだ

「そばにいると落ち着くわ」

そう言ってくれたね

夢も似ていたから

一歩前を歩く僕を

理解してくれてた

ああ

君なんだな

そう思った

でも

運命は皮肉だった

病は突然やってきた

僕を蝕んで自由を奪う

「10年生きるのは難しいでしょう」

医師にはそう告げられた

病室に見舞ってくれた日

「痛むの?」

気遣う言葉の意味より

その声が必要だった

絶望の中

君がいっそう輝いて見えた

君がいっそう愛おしかった

でも僕はもう

君と一緒に歩いていけない

君と夢を語り合えない

ああ

君なんだな

そう思ったのに

君のために用意した言葉を

伝えることができないまま

遠ざけるしか無かった

ただの重荷になりたくなかった

夢も仕事も愛しいひとも

全て一度に奪われた

そんな恨み事だけで過ごした

痛みや不自由さに翻弄されながら

10年の月日はやり過ごした

数値は徐々に何かを削り取っていくけど

まだ運命に逆らってきた

そして今日またひとつ

歳を重ねる

僅かな抵抗を試みている

君の期待に応えられなかった僕は

伝える言葉を失った僕は

ただの抜け殻

抜け殻なりに言葉を尽くし

ひとりでも多くの人のしあわせを

祈るだけの日々

 
 
 

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