Butterfly
ひらひらと華やかに 舞い落ちるつばさ 儚さを嘆くように 沈みゆくこころ ひとはみな 泣きながら生まれてきた こんなにもくるおくて こんなにもうつくしい この世界に絶望して、 泣きながら生まれてきた 大人になるにつれ 視えなくなって 消えていくけど...
カナシイけど忘れないよ
乾かない嘘なんて 後ろ足で砂をかけて 見えないふり 差し込む陽の光が 痛くて パラソルを傾けてキスした 水平線の先 客船の影 デジャヴ あなたの肩越しに 未来を探しても 指先だけが冷たくて 小声で歌う I Couldn't Love You...
笑顔
光の粒は 指の隙間からこぼれていきました あなたという光が離れて 私の周りが動けないほどくらいのです 悲しい気持ちは ポケットの中で ハンカチーフが吸い込みました たくさんのひとの ちいさなやさしさが集まって 道ができました 遠くで滲んでいるあなたを...
新しい命
黄昏を作り出す今日が 鳥の背に乗って 夕陽の中に飛び込んでいく 星の光が生まれるために 何度 回転したことでしょう 目が回るほどに長い時間を 私たちは眺めてきた 途方もなく大きな 星の渦が 色鮮やかな神の手となり 素粒子に知性を与える ...
G clef
その恋がもし目に見えるのなら 誰に分けてあげるのでしょうね 旋律のはずむこの曲が (アレグロ) 終わる前に目を閉じたら 恋も闇へと消えるのでしょうか あわてなくても逃げないように (フェルマータ) 息継ぎなしでも泳ぎ切って その手をとってあげましょう ...
たからもの
やさしさなんて頼りないもの 朝見る月のようなもの 目を凝らして確かめて 場違いなことを知ってしまう 痛みがあれば思い出すもの 灼けた空気のようなもの 息苦しさにもがいても しがみつかずにいられない 愛してなんて言えないもの 嘘がつけない道化者 ...
始まりの時
光で遊ぶ天使の声に 時間がほどけて広がっていく 私を包むあなたの両手 微笑みとともに 記憶をつなぐ あの日 あの空 あの色 約束の場所 始まりの時 生まれたことの意味など まるでどうでもいいことのように 私たちのいのちが どんなにか輝くことを...
天華
儚げな白い花びらが ゆっくりと舞い降りて ひとつ またひとつ 私の中に 溶け込んでいく ひとの純粋さだけが 集まった花は 空に咲き 空に散る ひとの温度で 消えていくけど それは やさしさに触れたから #詩 #poem
急がなくってもいいよね
やわらかな雲に 跳び乗って 寝ころんだまま 旅をして 陽射しに手をかざしながら 眩しさに笑ってみる 見おろせば きらきらとせせらぎ そよそよとうたごえ かけまわるちいさないのち 急がなくってもいいよね 感じてから考えよう #詩 #poem
アリス
時折りの寂しさも かつてない幸せ それを恋と呼ぶのなら 私は本のなかへと 逃げ込みたいくらい 気恥ずかしい そこでは木や草が歌い 野に立ちて 風になびく 私 きっと、涙って 数えてみると案外 少ないって知るわ そこは木と木の間 ...